Spector資料館 第2弾(資料がまとまり次第随時展開予定でもゆっくりペース)

Spector 年代別プリアンプ写真集(原案作成:KAZZさん 写真:SFCJメンバーの方々)

 よくひとごとな意見で「EMGのベースはなんでもEMGの音になっちゃうよね」なんて言う人がいますが、他のEMG搭載ベースとこれらSpectorの年代別・サーキット別の音を全て聴かせて「どれも同じかい?」と言ってやりたいですよね〜?
 EMGらしい音という表現の事例は確かに存在するとは思いますが、素材やシェイプやサーキットなどに影響されないはずがありません。
Spectorsound=EMGsoundというのは乱暴な話です。特に、年代毎に幾種類もあるサーキットはやはり味付けが異なりますので、それが個性となって音に表れています。ただ、どのサーキットも共通して「いかにもSpectorらしい」不思議な印象を持ち備え、崩していません。この共通した印象こそがいわゆるEMGらしいといわれる音のお手本・あるべき姿・象徴的・代名詞なのかもしれません。そしてそれは見事にハズレの少ないものです。事実、どのSpectorもたんなるEMGの素の音にとどまらない〜他のEMG搭載ベースとは違った〜硬くズンビンと骨身に響くあのSpectorsoundを聴かせてくれています。

年代 写真 備考
1984年プリクレーマー HAZ Lab.製プリアンプ

非常にダイナミックレンジが広く以降のベース用プリアンプのお手本になったそうです。そのままコピーして搭載なんてのも見かけたことがあります。ちなみにFoderaも90年代中期の頃にはこのHAZのプリアンプを搭載していました。
(KAZZさんのコメントより)

プリクレ期の多くにはHAZ Lab.製のプリアンプが搭載されています。バッテリーの接続端子の部品が独自のアルマイト製で、ふにゃふにゃしていないのでとても交換がしやすい構造です。外観上は4つある大きくずんぐりしたエメラルド色の絶縁樹脂にくるまれたパーツが目立ちますね(電気に疎い管理人、そんな表現でいいのか)。向かって中央上にあるボリュームポッドに赤マジックでマーキングされている基板をよく見ます(意味は不明)。また、向かって左のバランサーポッドだけが四角いのも特徴です。左下の円筒形のパーツ(アルミ電解コンデンサ)は外装が水色です。キャビティ内には導電塗装処理がされていないのがほとんどで、シールド的なものは底一面に銅箔が貼られているだけです。側面は木材のままですが、ノイズがほとんど乗らないのもすごいです。

1985年プリクレーマー
1985年プリクレーマー
1988年NS-2 Kramer期

一番上の写真は謎に満ちた88年の米国製サーキット。プリクレ期のサーキットにとても似ていますが、よく見るとこまかなパーツに相違点が見られます。これはめずらしいものです。過渡期ならではの仕様かもしれません。


一般にKramer期の代表的なサーキットとは写真2番目以降のタイプです。ボリュームとバランサーのポッドが円形のものになります。米国製と日本製があります。それぞれ生産国のベースに搭載されています。この2つのサーキット、ぱっと見はそっくりです。パーツ類を見れば判別が付くそうですが、もっと簡単に見分ける方法があります。それはバッテリーボックス部分です。ここにバッテリーを固定するベロクロテープがあるものは日本製です。左上から2つの写真は共に米国製ということになりますね。音の違いがあるかどうかは判明していませんが、どちらのオーナーも満足していることは間違いありません。

ひきつづき日本製の写真をお待ちしております。ご投稿下さい。
1990年NS-5
1990年
NS-2A(韓国製)
NS-2(日本製)
1994年SSDNS-5
(US)
 
HAZ Lab.製の一種

SSD期

SSD期の一種。ややめずらしいサーキットです。当初ファンの間では「EMG BTSかBTCの、初期の1モデルではないか?」という説が有力でしたが、実際に外して見たところ基板裏面にHAZの名が!なんとHAZ Lab.製プリアンプの一種でした。

バッテリーボックスは9v電池2個分(18v仕様)を別途設けられています。なんと、ふたも一段落とされてはめられるSpectorにしては非常にめずらしい構造。

SSD期あたりから、キャビティ内のシールド処理は導電塗装が導入されています。ごらんのように銅色の塗料を併用している例もありますが、ほとんどは黒色の塗料です。黒色導電塗装処理は、その後は主にチェコ製に施されていますね。
1994年SSDNS-4
(US)
SSD期の一種。このポットが四角くなると、この下の1999年WoodStockのプリになるのでしょう。
SSD期の他の写真をお待ちしております。ご投稿下さい。
1999年WoodStock 最近のモノ

左写真のはUS製オリジナルプリ。たぶん98年頃より採用されているものだと思います。
ポット以外はSSDのプリにそっくりです。よく見るとHAZに似ていますね。詳細は不明ですが、現在入手できるパーツを用いてHAZの基本設計をアレンジし直したもののように推測します。ややこしい書き方だけどモロ現行のHAZ製かもしれません。
キャビティ内のシールド処理は最近のUS製になるとごらんのように一面びっしりと銅箔を丁寧に貼って豪華そのもの。

この他に、
EMG BTS(数種あるようです)、
Aguilar OBP-1(ブラックボックスタイプ)、
TonePump(これもブラックボックス)
などがあります。

BTS(下写真)
などは見ると我が目を疑いたくなるような小さな基板だったりします。これを技術と見るべきか…出音が良いから許すか。
EMG BTS(一例)
EMG BTS(一例)
EMG BTS(一例)
Aguilar OBP-1
TonePump

現状、ご覧の通りKAZZさんのサイトからの移植ページであります。すばらしいページ。しかし、このままでは当管理人はなにをやってるんだ?という感じなので、今後は各パーツのドアップ写真などを載せてまいりたいと思います。


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